大久手計画工房
上社の家
- 風の道・光のたまり -  木造

写真1
写真2
写真3
写真4
 
施工
有限会社 松井住宅

施主のKさんは、自然素材を用いた、シンプルで明るく、肌触りの良い住宅を構想されていた。当初は産直の自然住宅を銘打ったメーカーも検討されていた様子だが、計画の合理性や都市住宅的視点の欠如に対しての疑問があったことがきっかけで、私に声かけしていただいたようである。

地下鉄の駅に程近いこの場所は、 20M 高度地区で準防火の網もかかっている市街地である。周辺には戸建住居だけでなく、マンションや社宅などのビルも建つ。ポツポツとある空き地も将来的にどういった利用がされていくかはなかなか予想がつかない。郊外住宅や専用住宅地のように牧歌的家づくりでは心許ない。自然素材を使ったやわらかい家づくりにあっても周辺の変化に大きく影響を受けない都市住宅づくりを心がけた。

あまり引きのない北側アプローチは、駐車場屋根や倉庫、自転車置き場を兼ねた門構えの外玄関から橋を渡って玄関にアクセスすることで奥行き感を持たせることを試みた。大屋根で建物を包み込む、ゆったりとした構えの内部は、寝室、倉庫以外は2Fも含め建具を開け放つと一つながりになるオープンなプランである。

計画のポイントは、庭に面した南側LDK大開口から階段室を通り、建物北面まで一直線につながる風の道・光のたまりをつくり込むことである。建物北側最丁部には開閉式のハイサイドライトを設け、2F階段室周りの床は FRP グレーチング敷きこみとした。快適な南北通風を確保すると同時に北側の安定した採光を家の中心部にまで取り込むための仕掛けである。冬場は1階に施した床暖房の暖気を家全体に行き渡らせるためにも一役かっている。

建設中、現場近くの仮住まいから小学校に通っていた一年生のS君は、毎日学校帰りにランドセルを背負ったまま現場に立ち寄り、大工さんと秘密の時間を過ごしていた様子。時には私といっしょに現場打ち合わせに参加することも。こうした出来事も全て含めて家づくりである。



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